リニア中央新幹線

JR東海は、2007年末に「自己負担を前提としてリニア中央新幹線の建設を推進する。」という内容の発表をおこない、2008年10月には、南アルプスを貫通して直線コース(Cルート)で建設することも可能であるという地質調査の結果を国土交通省に報告しました。
リニア中央新幹線は下図のように、東京−甲府−飯田−名古屋をほぼ直線で結ぶ計画で、2027年完成が予定されています。(下図の青線は東京と山梨のリニア実験線、ボーリング調査点、名古屋を結ぶ、予想されるルートです。)

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2009年6月18日ルートの試算結果が発表されました。路線長は286Kmで東京と名古屋間の所要時間は40分であり、工事費は5兆1000億円ということです。
2009年10月には、東京〜大阪間の需要予測や建設費が公表されました。名古屋−大阪間は2045年開業予定で、品川−新大阪間は最速67分で結ばれるとのことです。
中間駅の構想についても発表され、地下駅と地上駅があり飯田に設置される駅の場合は地上駅になり、約1Kmの長さと駅中心では幅45mが必要であるとのことです。
JR東海は2010年1月8日、一部区間を先行開業させる方針を明らかにしました。「リニアの部分開業は既定路線、可能な区間から開業する。神奈川−山梨が適当だろう」と述べたことが報じられました。また同年1月25日、高速鉄道の輸出計画を発表し、リニアと新幹線を米国市場に売り込む方針を明らかにしました。リニアに対する関心は米国でも高まっており、世界でも最も優れた地上輸送システムであるとの評価です。日本では実験線43Kmが山梨で数年後に完成する予定です。
リニア中央新幹線飯田駅の設置が予定されている飯田下伊那地域では、駅設置に向けての市民募金が展開されており、住民の意識は非常に高くなっています。
2011年8月5日JR東海から飯田下伊那地域に設置する駅の位置について提示が有りました。飯田市座光寺と高森町下市田付近を候補とする内容です。その後2013年9月の発表で駅位置は飯田市上郷に決定しました。



2013年9月30日

ある企業の講演会において「超伝導リニアモーターカーの関連技術」と題して記念講演が開催されました。以下技術的な部分で明らかになってきた内容を箇条書きします。
1.接触面を持つ粘着駆動には限界があり、非粘着駆動、非接触支持の方向になった。
2.地上側に設置された浮上コイルは制御しないで、推進コイルのみ制御する。
3.時速100km以上で浮上するが、急加速、急減速が可能で、20km以下の距離で加減速が可能。
4.浮上コイルは8の字結線で、左右はヌルフラックス線で結ばれており、自動で車両が中心に動くようになっている。
5.浮上時は約4cm車両が下がる。車両が下がると浮上用8の字コイルにアンバランスが発生して浮力が発生する。車両重量と浮上力でバランスされた位置で走行する。
6.車両側のコイルは高温超電導となる。
7.車両への給電は誘導集電も検討されたが、車両停止時に問題となるようで、車両に発電機を搭載する予定。
8.推進コイルの駆動切り替え回路は、切り替え素子が多くならないよう、工夫されているようだ。
以上ですが、内容の多くはこのページの最下欄に紹介しました本にも記述されています。


2009年3月21日

2009年3月21日に「リニア中央新幹線セミナー・シンポジウムin南信州」が、飯伊地域地場産業センターで開催されました。
前半は「新しい国土の姿とリニア中央新幹線の役割」という演題で名古屋産業大学名誉学長・特任教授 伊藤達雄氏の講演があり、後半は「夢のリニア中央新幹線 飯田駅を見据えた街づくり」という内容で、パネリストに衆議院議員宮下一郎氏、飯田から宮島八束氏、谷口則之氏、熊谷弘氏が参加されて、飯田駅実現が前提でシンポジウムがありました。
超電導磁気浮上リニアですから世界から注目される交通インフラとなり、世界から飯田を見据えた街づくりができるチャンスだと思います。


2008年12月13日

2008年12月13日に「山梨県立リニア見学センター」を見学してきました。
左の写真は、展示してありましたリニア中央新幹線の模型です。
ダブルカスプ形状車両です。


2008年12月13日

左の写真は、パネルで展示してありました新型車両です。
先頭部分は約23mであり、空力的特性が改善されています。
現在までの最高速度は時速581Kmです。


2008年12月13日

リニア実験線です。
線路の両側に見えている側壁(白い部分)に、車体を推進するためのコイルと浮上させるためのコイルが入っています。
「山梨県立リニア実験センター」から見ることができます。車で行く場合は、中央自動車道大月インターチェンジから約15分です。


「ここまで来た超電導リニアモーターカー」

左の本はリニア見学センターで購入しました。
この本を読んで、超電導リニアモーターカーの開発の歴史と性能、特徴、動作原理、安全性が分かりました。
モータはリニアシンクロナスモータです。車体には永久磁石を使わないで、超電導コイルでNとS極を作り側面に並べています。このコイルと向かい合うように地上に駆動コイルが並んでいます。軌道に設置されたセンサ(交差誘導線)で車体位置(磁極)を検出して3相巻線の電流を制御し、速度を制御しています。また、地上には車体を磁気浮上させるためのコイルがあり、一定速度以上で吸引力が働き、車体が浮上します。浮上の高さは約100mmです。

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